2011年の11月
暑い! しかし、散ってしまったもみじもあり、晩秋です。暖かさのせいか、11月 例年に比べると虫刺されの患者さんが多かったです。多くが乳幼児でした。連れてきたお母さんの中には、今頃虫刺されですか?と驚かれるヒトもちらほらおられて こちらも同感なのですが、温暖化の影響なのでしょうか と言うと納得しておいででした。何の虫かまではわかりませんが、ダニか、あるいは 暗がりで生き延びていた蚊でしょうか。
水疱瘡を含めたウイルス性のぼろは 例年に比べれば少なく、気温の影響は大きいです。
反対に、暖かいにもかかわらず、低温と乾燥が大いに影響していると思われる皮膚病は
着実に増えてきました。
かさかさに乾燥してかゆみを訴える幼児、学童。例年これのピークは 1月から2月の一番寒い頃で、さすがにそのときほど多くはないですが増えていますね。 また、夏はよかったけど、最近悪くなりました、と言って久しぶりに来院される成人のアトピー患者さん。アトピー患者さんには、汗で夏悪化するタイプ、年中大きな変化なしのタイプもありますが、秋以降、乾燥悪化を訴えてこられる一群のひとたちがおられます。
例年の、晩秋から初冬という11月のイメージを 今年はなかなかと感じられませんでしたが、乾燥とかゆみを訴えて来院される患者さんの増加は、 季節は確実に冬に向かって動いているんだよ ということなのでしょう。
2011年 みずむし
紫陽花が色づいてきました。ピンク 紫 青 白。白だけでは物足りませんが 周囲に濃い色のがあると互いに映えますね。
しばらく雨の日もバスの車窓から楽しめます。
最近 まだ6月というのにいきなり30度越えが続いておりますが、そこまでいかない連休明けごろから みずむしのかびが増えました。と言っても、なんのことかおわかりにならないでしょう。
みずむしは 白癬菌 というかびの1種が皮膚に寄生しておきる皮膚病です。主に足に、小さいみずぶくれ、皮膚がめくれる などそれらしいヒトが来ると、その皮膚を少しもらって顕微鏡でみてかびをさがし、いれば みずむし と診断します。
この、皮膚の中にみつかるかびの量が冬にくらべ一気に多くなりました。冬のあいだは 一生懸命さがして やっとかびが ひとすじ、ふたすじ(かびは 糸状です)ということがしばしばです。それがどさっとかたまってみつかることが多くなりました。また 一人の患者さんの足につき、数箇所からの皮膚を調べますが、冬は みつかってもそのうちのやっと1箇所から ということ多いです。
それに対し、暖かく(暑く)なってからは半数ないし、調べたすべての皮膚からみつかることもあり、かびの量が増えたな と感じるしだいです。
冬はなんともないんだけど、、梅雨ころになるとぶつぶつでてくる と言ってこられるヒトが増えるのも もっともだと 顕微鏡下のかびをながめながら 納得しております。
人間が 暑さにうだってげんなりしているとき、寄生しているかびは この世の春とばかり、暑さ湿度の高さを生き生きと謳歌しています。
今年の夏は 節電も大切で、より暑そうですが、かびに負けず 乗り切りましょう。
2011年 低温熱傷
暖かい日と寒い日と交互にやってくるようになりました。
朝の最低が氷点下の寒い日でも 太陽の強さはもはや冬ではありませんね、日中晴れれば
暖かです。3月初め、ほぼ満開の白梅の花の間を2羽の鶯が見え隠れしていました。まだ鳴きませんがこれも春ですね。朝 バスの窓から見え、帰り お昼頃ですが まだおりました。ずっといたのでしょうか。
言葉の使い方の問題。
足首が 傷んだりんご様になってその上に水ぶくれができ、いかにも 低温熱傷 と思える方が来られたので、低温やけどですね、いつからですかとたずねました。
具体的な日付を期待していたのですが、その方は 不思議そうな顔をして、
「そういう事実がなくてもなりますか」
と答えてこられました。
あれっ、間違えたかな・・・と内心あせりながら、湯たんぽ 使っておられませんかと聞きなおすと、
「使ってますけど」
という返事。
今度はこちらがめんくらう番で、しばし黙り込んでいたら、
「あの低温って氷とかドライアイスとかそういうものでしょう、さわってません」
とおっしゃいました。
なるほど、と納得して説明しました。
確かに 湯たんぽもあんかも 暖かく、“低温”ではありませんね。
普通やけどは、沸騰に近い湯やちんちんのストーブなどでなるので、それに比べれば温度が低い “低温”です と言うと納得されました。
湯たんぽも初めは温度が高いので離しておくでしょうが、下がってきて、つい触ってしまっても、瞬間的に蹴飛ばすほどではない場合、そのままずっと触れたままにしていると低温やけどになります。
学童、学生などの熟睡できる若い年齢層に多いですね。
短時間なら触っていてもなんともない温度でも、長時間さわったままだとやけどになるという、「低温熱傷」そのものをご存じない方はたまさかありますが、文字通り ドライアイスのような低い温度のものにさわってなるやけど、と理解していた方には始めて出会いました。文字だけ眺めればそういう理解も確かに可能です。
専門用語、一般化しているものは特に気をつけて使わねば、と思いました。
初冬のあせも
11月となって平年並みに寒い日もでてきましたが、でもやはり気温が高めの日のほうが多かったですね。
寒い日もでてきた影響はしっかりあり、かさかさ湿疹 --皮膚が乾燥して、その上に湿疹病変があちこちにある-- が一気に増えました。
しばしばこのコラムで述べていますが、本当に気候の変化に皮膚は敏感です。保湿剤の季節です。
ところが、あせものヒトも少ないですがおられました。
わきあたりにぽつぽつと赤いぼろがあり、一部はてっぺんが化膿しかけているのもまざっていました。皆赤ちゃんでした。
おそらくお母さんが、風邪をひかせては大変とおとなの感覚で着させて、それが厚着になったのでしょうね。
それでかえってむれて、あせもができたということでしょう。
赤ちゃんは代謝がさかんなので、成人よりは薄着で十分ということでしょう。
言葉で暑いと言ってくれずに、こういう形で 訴えてくるのね と思いました。
イチョウの紅葉があざやかでした。
特にいいお天気で空が青いと黄色がまぶしく感じられるほど光っておりました。
それが 一夜の風と雨があけると、ほとんど散ってなくなっており、びっくりです。
これはこれで一気の変化です。
冬の始まりです。
みずむし
暑い長い夏でした とやっと過去形で言えるようになりました。
赤 白 ピンクと猛暑の中をきれいに咲いていた、百日紅も終了です。
近くの池の一角が一時期 みっしりと水草に覆われ 巨大なふたをしたようで 窒息感がありましたが、それも猛暑故でしょうか。
今はきれいな水面で、時々カモが泳いでいます。
夏は みずむしのシーズンです。
その中での印象的な例、「初孫を抱かせてもらえない」「お風呂に一緒に入れさせてもらえない」と爪みずむしの治療にやってこられたおじいさんがいました。
そんなにはっきりと「だめ」といわれるのは、きっと娘さんが新しいママなのでしょうね。
年配者で、爪全体が白くぶあつくなった爪みずむしですと、完治に半年くらいはかかりますので、そのおじいさんがお孫さんと一緒にお風呂に入れる頃には、お孫さんは育って大きくなっていますね。
みずむしで皮膚科に受診されるのは 全体の一部のみ という統計があります。
痛くもかゆくもなく かつ日々 忙しいとなると 放置しておられるひとが多いのはわかりますが、そんな中での受診動機に 放置しておいたみずむしがお子さんにうつった というのがあります。
お子さんがみずむし と診断され、その際、「乳幼児の水虫は、ほとんどが家族からの感染ですよ」と説明され、奥さんからきつくいわれて というものです。
ご主人からうつった奥さんの例は けっこうありますが、感染源のご主人がどうするかは、いろいろです。
若いカップルのほうが奥さんにいわれて皮膚科にこられる割合が高いですね。
今回の、お孫さんがきっかけでかかられた というのは 私は 初めてですが、ひょっとしたら 動機として 最強かもしれません。
薬局にいけば みずむしの薬は 山ほど売っています。
が、薬局では 本当にみずむしかどうか という診断はできません。
少なくとも 一度は皮膚科にかかってみずむしか どうか 診断してもらうことを お勧めします。
夏
梅雨が明けました。今年の明け方はメリハリがきいていましたね。
1週間くらい雨模様の日が続き、雷がごろごろ鳴った翌日に朝おきたら、いきなり 晴れ上がって明けていました。
クマゼミも勢い良く鳴いていました。
その後は 連日32-3度です。昨夏は比較的涼しく すごし易かったですが 今年の夏は猛暑でしょうか。
猛暑と考えただけで 夏ばて気分になるのは いけませんね、年のせいかしら。
これから あちこちで 花火大会もあります。夏を楽しみましょう。
6月から 手足口病が 園児の年齢を主体にはやっています。
教科書的には 手のひら、足の裏 口腔内に 水疱(水ぶくれ)ができるウイルス性疾患ですが、今年の流行には特徴があります。
膝に始まることが多く ついで すねから足の甲 うでから手の甲に多数の赤いぼろができます。
よくみると水疱もありますが 明らかな水疱でないものが多いです。
これだけだと 手足口病にみえません。
足の裏 手のひらをよくみると 小さい水疱があり、ああ、手足口病だと診断できます。
口腔内にもできるひとは 半分くらいでしょうか。
膝などにぼろが現れる前に 1日くらい 38-9度の熱発のある人もあります。
この熱発の時点で皮膚科にかかられるヒトはありませんので、私は 内心ほっとしております。というのは 手足口病は 通常、熱発する場合もあるが 少数で 全身症状は軽微
つまり 元気はよい とされておりますが、今年は 髄膜炎症状を呈する 重症例があると報告されているからです。
このあたりでは 幸いそういう例を聞きませんが、もし、お子さんが手足口病と診断されたら 水疱が軽快するまでは 無理はさせないでおきましょう。
軽い例ですと ピーク後3日ほどで ぼろは ひからびて小さく点状になっています。


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